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漢方外来について
西洋医学は患者さんの病気を診断して病名を決め、それに対して治療を行う医療です(病名治療)。これに対して、漢方薬を使用する東洋医学は、患者さんの心身全体を総合的に診て、バランスの崩れた体質を改善し、心身の調和を図る医療です(体質治療)。体質を改善することにより、治療の発端となった症状以外のいろいろな不快な症状が一緒にとれてしまうこともあります。
西洋医学が完璧であれば漢方の出番はありません。今の医学では治らない、病気ではないといわれている、今の医療では腑に落ちない、そのようなことが少なからずあります。そのようなときに東洋医学の漢方が西洋医学を補い合う医学(補完医療)となります。
検査などで異常がなく原因が見つからなくても「何となく体がだるい」「何か調子が悪い」「冷える」「腫れる」「痛い」といった不定愁訴や症状から、「咳が続く」、「ノドが痛い」、「感冒の治りが悪い」など病名がついても治療による改善が見られない場合など多くの病気や症状が漢方治療の対象となります(健康保険が適用されます)。漢方は総合医、総合診療のイメージもあり、漢方薬は全人的に患者さんを診ることができる薬ともいえます。漢方薬のなかには免疫能をあげる作用や抗菌作用や抗ウイルス作用のあるものもあります。つまり抗がん剤でやられた体力を元に戻す力や抗生剤の代替作用も期待できます。さらに漢方薬は、何種類か(時に十数種類)の生薬の合剤で、漢方薬は多剤投薬の解決策のひとつにとなります。高齢者で種々の愁訴(症状)や疾患に対し薬剤数が多数となり、なかには10種類以上の薬を服用している方がいます。薬の副作用で体調が悪くなったり、副作用に対する治療でさらに薬の数が増えていることもあります。漢方薬治療と生活習慣の改善により服用している薬品数を減らせることもあるのです。
当院では患者さんの体質に合った漢方薬を追求し、生活習慣の改善指導も行います。そこから症状を和らげ、生活の質を改善できるような治療を提供したいと思います。