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動脈硬化の程度をみる検査・ABIと頸動脈エコー
当院ではCAVY(キャビィ)とABI(エービーアイ)、頸部動脈エコー検査を行っています。
CAVI(キャビィ)とABI(エービーアイ)検査
「CAVI(キャビィ)検査とABI(エービーアイ)検査」では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる検査です。結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。この検査では、つぎの3つを測定します。
1 動脈のかたさ
動脈のかたさを表すのが「CAVI(キャビィ)」です。動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たしていますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合をみることによって、ポンプのしなやかさ、つまり動脈のかたさがわかるというものです。動脈硬化症が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化症を発症しているという研究結果もあります。
2 動脈の詰まり
足の動脈の詰まりを表すのが「ABI(エービーアイ)」です。足首の血圧を横になった状態で測定すると、健康な人では腕の血圧と同じくらい、あるいは少し高い値となります。しかし足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。そのため「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断するというもので、その値が0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。また、その症状は「足の痛み」としてあらわれることが多いといわれています。
3 血管年齢
同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」がわかります。「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化症の進行が早いと考えられます。
頸動脈エコー検査
- 頸動脈エコーは、視覚的に動脈硬化の診断ができる検査です。
- 首のところには、心臓から脳に血液を送る頸動脈があります。全身の動脈硬化の程度を表す指標や脳血管疾患に対する指標も用いられます。
- 動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなったり硬くなったり、血管が狭くなっている様子を画像で確認できます。
- 頸動脈の動脈硬化が進んでいるほど、ほかの部位の動脈硬化も進んでいると考えられます。このことから、動脈硬化が原因となる心筋梗塞や脳梗塞、大動脈解離などの命にかかわる病気が発症する危険度を推測することができます。
- 年月を追って動脈硬化の進み具合を知る事ができ、食生活の改善や運動療法、投薬などによる予防が可能です。
検査の仕方
- この検査では仰向けに寝た状態で枕を外し、首の部分に、ゼリーを塗りプローブをあてて、検査をしていきます。
- 左右合わせて数分程度で終了する検査です。痛みもありませんし、リラックスして受けていただけます。
検査のときの注意/受けるときのポイント
- 首にゼリーのついたプローベ(超音波発振機)を当てて、頸動脈の様子を観察していきます。検査を受けやすいように、首を出すことができる服を着ていきましょう。
何を観察するの?
動脈硬化の有無と詰まり具合とプラークの観察です。
- 動脈硬化の有無
- 血管壁を観察して、動脈硬化の有無を調べます。
- 血管壁は3層あり、第1層と第2層を内中膜複合体(IMC)と呼び、その厚さを測ります。
- IMCの厚さは通常1mm未満です。1mmを超えると動脈硬化が示唆されます。
- IMCは加齢と共に肥厚します。高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などはIMC肥厚を加速させる危険因子です。
- つまり具合の観察
- 頸動脈の血管腔を観察します。総頸動脈の血管径は通常5~9mmです。
- 動脈硬化があると、血管がつまったり、狭小化したりします。エコーで観察し、治療方針などを検討します。
- プラークの観察
- 1mmを超える限局性の壁隆起をプラークと呼び、プラークの破綻が脳梗塞などを引き起こす可能性があります。
- エコーではプラークの大きさ、形状、表面、内部の状態(硬さ)などを観察し、治療方針などを検討します。
「動脈硬化net http://www.domyaku.net/ より引用」(一部改変)